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書評:「ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉」

こんにちは、もっつです。

今日は、インデックス投資の界隈では“超名著”と位置付けられているウォール街のランダム・ウォーカー<原著第11版>」を読んでみたので、その個人的書評をしたいと思います。

※記事では「ウォール街のランダム・ウォーカー」の事を、単に「この本」と言います。

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ウォール街のランダム・ウォーカー」とは?

著者はプリンストン大学の経済学の名誉教授であるバートン・マルキール教授。学者でありながら、自身が金融業界に携わった経験から、資産運用の方法について、学術的かつ経験的な論調で綴られている書籍です。

この本はその人気ぶりから、1973年の初版から刷りに刷られ45年経った今も第11版が売り出されています。今さら私もっつが解説する必要も無いほど、投資の分野で語り尽くされており、長年にわたり愛されている名著です。この本をインデックス投資家のバイブル」と位置付けている方も多いです。

…実は、私もっつは「読もう、読もう」と思いつつ腰が重い時期が続いておりました。。。

しかし、近所の図書館で借りるチャンスがあってので、今回を期に思い切って借りて読了してみました。

冒頭の写真は図書館から借りたものです。読んだのは2019年2月のことでした。

この本の構成と主張

この本の章立ては以下のような感じです。

◯第1部 株式と価値

●第1章 株式投資の二大流派―「ファンダメンタル価値」学派VS.「砂上の楼閣」学派

●第2章 市場の狂気

●第3章 株価はこうして作られる

●第4章 21世紀は巨大なバブルで始まった

◯第2部 プロの投資家の成績表

●第5章 株価分析の2つの手法

●第6章 テクニカル戦略は儲かるか

●第7章 ファンダメンタル主義者のお手並み拝見

◯第3部 新しい投資テクノロジー

●第8章 新しいジョギング・シューズ―現代ポートフォリオ理論

●第9章 リスクをとってリターンを高める

●第10章 行動ファイナンス学派の新たな挑戦

●第11章 「スマート・ベータ」は本当に役に立つか

◯第4部 ウォール街の歩き方の手引

●第12章 財産の健康管理のための10ヶ条

●第13章 インフレと金融資産のリターン

●第14章 投資家のライフサイクルと投資戦略

●第15章 ウォール街に打ち勝つための3つのアプローチ

大きく分けて4部構成。ものすごくざっくりいうと、

①過去の歴史的事件から悪い例を学ぼう

②既存のよくある投資法を見てみよう(そして著者がボロクソに叩く)

③一応、もうちょい他の投資も触れてみましょう(やっぱりボロクソに叩く)

④やっぱりインデックス投資が◎、その具体的方法をご紹介しましょう

…と言った流れでしょうか(笑)

 

この本の主張は、本を開いてスグにこう書かれています。

個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロのファンドマネージャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと待っているほうが、はるかによい結果を生む(1頁)

そう、これが全て。

あらゆる妙な投資法に手を出すより、インデックスファンドでバイ&ホールドする投資法が最も確実である、と言うのがこの本の「核論」です。

この「核論」を立証するため、イキナリ美味い話で興味を引くのではなく、第1部〜第3部と本の大半のページを割いて他の投資法を“コテンパンに”叩き上げ、そしてインデックス投資による投資法を紹介する…という構成です。まさに学者の論法らしい書籍というか、なんというか(笑)

 

なお、私のこの記事では「本の中身そのもの」については割愛します。ネタバレ回避というのもありますが、あまりにも名著なので、様々なブログ等で語り尽くされていますので。

今日の記事では、私もっつ個人的な、この本の「見どころ」「読み方」「良い点・悪い点」といったところを書き記したいと思います。

この本の「見どころ」

個人的には第1部第4部が見どころに感じました。

「第1部:株式と価値」では、過去の歴史上の出来事から、いかに人間は「バブル」に踊らされて生きてきたか、という事が記述されています。かなり昔で言えば「チューリップバブル」、2000年初頭の「インターネットバブル」、80〜90年代の「日本の不動産バブル(いわゆる平野ノラ的なバブル)」にも触れています。

この第1部は、昨今の「仮想通貨バブル」をイメージしながら読むと、非常に興味深いパートです。いつの時代のバブルも、対象の“商材”や発生国は違えど、バブルの発生・熱狂期の人の心理・そして崩壊までのシナリオ…かなり共通している事を改めて教えてくれます。

次に「第4部:ウォール街の歩き方の手引き」。ここでは、インデックス投資を軸にした資産形成の準備や具体的な方法を概説しています。「アセットアロケーション」「ドルコスト平均法」「リバランス」「リスク許容度」といった、インデックス投資の“基本のき”が出てくるのもこの章。

iDeCoやつみたてNISAが普及した今の日本では、インデックス投資がかなり身近なものになり、様々な書籍や民間ブログで解説・紹介されていますが、おそらく、世の中に出回っているインデックス投資に関する解説は、全てはこの本のこの第4部の内容がルーツになっている…と言っても過言ではないかもしれません。

個人的には、現預金・保険・不動産・金…等、株式に限らない広いアプローチで、心構えも含めて資産運用法を解説しているところも、非常に好感を持てましました。

この本の「読み方」

おそらく、全くのド初心者がこの本を読破するのはかなりキツイと思われ、読むには投資に関する予備知識が必要と感じました。

例えば、第1〜3部にかけては「PER(株価収益率)」というワードが頻出します。PERとは、15倍はまあまあで10倍以下なら割安だし20倍なら割高かな…といった「株式の割高・割安」を計る、個別株投資の経験者ならお馴染みの指標。これを体感的に理解していないと、序盤から中盤にかけてかなり読書が苦痛になります。

個人的には、第2部〜第3部は特に予備知識を要するパートなので、読んでて心が折れがちになります。しかもこのパートは『インデックス投資が最も確実だ』と言いたいがために他の投資手法をコテンパンにブッ叩くパートでもあるので、心が折れるくらいなら、第2〜3部は軽く飛ばしながら読んでも差し支えない、とも感じました。読書が2周目以降になったら、熟読しても楽しめるかも知れません。

この本の良い点・悪い点

ここからは本自体の印象論みたいになってしまいますが…

この本の良い点は、ちゃんと「投資家個人の心情」にも訴えかけている点です。画一的な投資法なんて無く、その人個人によってリスクの許容度が違う。これに即して投資法を選択すべき…という事を「安眠度」と表現し解説しています。たいがい投資ジャンルの本は『この◯◯投資は最強や!』『まだ◯◯投資してないのぉ?』等と“イケイケどんどん”で煽り立てるものが多いのですが、それとは異なり、読者に対して常に慎重性を訴えかけているスタイルなのが、読んでいて好感が持てます。

また、著者が学者でもあり金融業界にも携わった経験があるからこそ、本の中のあらゆる批判にもしっかりした「言葉の力」を感じられ、読んでいて安心感も感じます。

こういったスタイルの本だからこそ、45年以上経った今でも愛されている名著たる所以なのでしょう。

 

この本の悪い点をしいて挙げるとすれば…

まずは、前述の通り予備知識ゼロではまず読破不可能というところ。ま…これは仕方ないところもあります。むしろ、読破したければ、ちゃんと勉強して知識を身につけましょうという本ですから。

あとは、細かい話を言えば、本の随所に散りばめられた、著者の"欧米感"ただよう皮肉やジョークが少しクドくて読みづらいです。たぶん、堅苦しい文面を少しでもやわらげよう…という著者の計らいなのでしょう。私はチョイチョイ『もう分かった…分かったから、そこはスッと文章を書こうよ…』と感じたシーンが何度もありました(笑)そういったシーンは、他の投資法を叩きのめす第2〜3部に多かたった気がしました。

※だからこそ、私は第2〜3部で心が折れかかったのかもしれません…w

まとめ

個人的には、この本は「相場に過熱感が出た時」か「相場が悲観的になった時」に読むべき本だと感じました。自分自身が行なっているインデックス投資の“確からしさ”を改めて教えてくれる…まさにインデックス投資のバイブルという位置付けになると思います。

また、この本は、期間を空けて読むと違った“味わい”を楽しめる本かもしれません。直近の相場が楽観的か?悲観的か?でも味わいが変わりますし、自分自身の知識や経験の成熟具合によっても、同じ文面でも味わいが変わってきて再度楽しめる本かもしれません。

 

…やはりウワサ通り「重厚感ある名著」といった感じでした。私はどこかで『この本を読破すれば、一定水準以上のマナーリテラシーを持ったと自負して良い』と聞いたことがありますが、まさにそんなところでしょうか。

 

今度は図書館じゃなくてちゃんと買おうかな…

本日も、お読みいただきありがとうございました!